ご挨拶



 この4月より、東京都少林寺拳法連盟の会長を仰せつかりました西原春夫です。
ご承知のとおり、これまで伊藤園の本庄八郎会長が6年の長きにわたって会長をお務めくださいました。重要な大会には欠かさずといってよいほどご出席になり、心のこもったご挨拶をお述べになっておられました。また伊藤園セミナーなど、連盟の発展に大きく貢献し、多大なご協力を頂戴したと伺っております。しかし、財界の中での本庄社長の地位がますます高まり、これに伴い、いよいよ多忙になられることとの関係で、連盟としてこれ以上ご迷惑をかけられない状況となりました。大変残念なことであり、また大きな損失でありますが、この度、会長の交代ということになった次第であります。本庄前会長には、長年のご尽力、ご貢献に対し、後任者として厚く御礼申し上げます。
 私は今日まで、少林寺拳法とはまったく関わりのないままに過ごしてきた者であります。武道は、戦時中、小学校の高学年と中学校の初めごろに正課として剣道を学んだくらいで、まず素人といって差し支えないでありましょう。ただ、大学の教育や 青少年の健全育成に携わる中で、武道の意義を考える機会に恵まれ、いよいよますます、これを評価する傾向になりました。
 私は、戦後の日本が権利と自由の確立を強調してきたのは正しかったと考えておりますが、戦後の日本に欠けていたのは、国全体として子供や青少年に明確な「生きる指針」を与えてこなかったところにあるという主張を繰り返しております。恐らく、そのような主張が少林寺拳法の理念と相通じるものとして、今回のご縁につながったことでありましょう。
 「生きる指針」が単に頭の中だけに与えられるものではなく、体と心と一体となって人格の奥底に定着するところに武道の特色があり、意義があると考えております。とりわけ少林寺拳法には、「力学的に合理的であるとともに、それ故に美しい」技と並んで、奥深い人生の哲学がひそんでいるように思われます。今後、その蘊奥(うんおう)を学ぶことができれば、主張に厚さと深さが出てくるのではないかという予感を抱いているところです。
 私のライフワークとしてのアジアの平和貢献、正しい歴史教育・認識の普及に、東京都少林寺拳法連盟の皆さんの協力を得て、開祖・宗道臣先生のいわれた、人づくりによる国づくりを、共に推し進めていきたいと考えております。
共に頑張ってまいりましょう。

東京都少林寺拳法連盟会長 
(社)青少年育成国民会議会長 
西原春夫 


西原春夫先生プロフィール
早稲田大学名誉教授・元総長、法学博士、アジア平和貢献センター理事長。
1928年生まれ、東京都出身。早稲田大学第一法学部卒業。同大大学院法学研究科博士課程修了。ドイツ・フライブルグ市のマックス・ブランク外国・国際刑法研究所に留学。
1967年より98年早稲田大学教授。
1972年より76年早稲田大学法学部部長。
1982年より90年早稲田大学総長。
1988年より92年日本私立大学団体連合会会長、全私学連合代表。
1988年より93年文部省大学設置・学校法人審議会委員・副会長、91年より会長。
  1988年より95年全国大学体育連合会長。
1991年、社団法人青少年育成国民会議副会長、93年より会長(現在に至る)。
1995年より98年早稲田大学ヨーロッパセンター(ボン)館長。
1998年より2005年学校法人国士舘理事長。
2005年よりアジア平和貢献センター理事長。
青少年育成国民会議には、(財)少林寺拳法連盟も、青少年団体として加盟しており、新井庸弘少林寺拳法連盟会長、宗由貴少林寺拳法グループ総裁とは面識があり、「人づくりによる国づくり」「アジアの平和、近隣諸国との友好なくして、世界の平和はない」との、開祖・宗道臣の思い・教えに対し、大いに共感できるものと高い評価をいただいております。

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